大学院 POSTGRADUATE

カリキュラムポリシー

ヒーリング造形研究領域

我々が日常生活において、心地よい空間、潤いのある空間で生活を営むことは、精神衛生上不可欠な問題です。精神の安静とストレスの溜まりにくい、リラックスした環境作りについて考えると、そこにはデザインやアートの存在が重要な役割りを果たす要素として関わっています。
現代社会におけるヒーリング(癒し)について、アートとデザインの領域から個々のテーマを設定し、研究していくことで、社会との関わりや必要性を探ります。
ヒーリング表現を、創作と理論を通して考えていくことにより、自己の可能性を広げるとともに社会性のある新たな発見を目指します。 また、社会の様々な現場で活用されているワークショップ型体験学習によって、個人や集団のコミュニケーションを高め、社会に横たわる様々な問題の改善方法を探ることも視野に入れていきます。加えて、医療空間や福祉施設、様々な公共空間、日常生活空間に至るまで、人の暮らしとヒーリングの関係を考察し、ヒーリングを目的とした表現、手段、媒体について、視覚伝達デザイン、住環境デザイン、映像表現、絵画表現などの作品制作や理論研究によって探求していきます。
さらに、身体と向きあうボディワークを通してアートや環境から得られた『気づき』を、各人の創作や研究に結びつけていきます。 同時に、研究テーマに対して、医学的な調査と検証、色彩心理の調査と検証に基づくデータ分析などから理論的な研究を推し進めていきます。
これらにより各自の研究を社会にどう還元し、活用していくのかといった方法についても探っていきます。

NEWS

授業紹介

デザイン専攻 研究指導科目

ヒーリング造形研究Ⅰ・Ⅱ 山野雅之

1年

現代社会におけるヒーリング(癒し)について、アートとデザインの領域から研究し、社会との関わりや社会における必要性を探っていく。実技による創作を中心に表現の可能性を追求し、それを裏付ける理論も合わせて研究していく。
医療空間や様々な公共空間、日常生活空間に至るまで、人の暮らしとヒーリングについて考察し、ヒーリングを目的としたアートやデザインにおける表現、手段、その媒体について各自の研究テーマに基づき、ビジュアルコミュニケーションデザイン、住環境デザイン、インタラクティブアート、絵画表現などの作品制作によって探求していく。実技を中心とした創作研究と同時に、研究テーマに対しての調査と検証による理論的な研究を進めていく。

2年

ヒーリング造形研究Ⅰにおける創作研究、調査と検証を踏まえ、より具体的な研究テーマを絞り込み、社会との関連づけをおこない、計画性のあるより高度な研究を推し進める。更に現代社会とヒーリングの関係について、各自の研究テーマの中で定義づけを行ない、考察した結果を修了制作または修了論文として発表する。
各自の研究テーマに沿って、前期、後期の研究計画を立て、効率的に研究を進めていく。ディスカッションする場を設け、またプレゼンテーション発表、研究報告会を適時におこなって、論理的に研究を推し進めていく。研究の成果を修了制作または修了論文として発表する。 医療空間や福祉施設、そのほか様々な公共空間、日常生活空間に至るまで、人の暮らしとヒーリングの関係を考察し、ヒーリングと福祉を目的とした表現、手段、その媒体について理解して役割を探求し、それが社会とつながる実践的な研究となることを目指す。

ヒーリング造形研究Ⅰ・Ⅱ ヤマザキミノリ

1年

二つのテーマを扱う。一つは空間に関する表現で、主に公共環境の美的最適化についてである。もう一つは、様々な立場の多くの人が参加し体験可能なユニバーサルで社会包括的な、アートアクティビティやワークショップの創出研究がテーマである。

  1. 空間は人々の五感に直接コミュニケートするメディアである。アートを用いて人を取り巻く空間の快適性や高揚感を演出し、最適化する為のデザインを研究していく。ヒーリング表現できるメディアとしての空間の可能性を捉え、空間演出デザインによる問題解決を探っていく。
  2. 万人が創作する喜びに触れることができる造形ワークショップやアートアクティビティを考えていく。クリエイティブな体験と達成感を得ることは、身体から沸き起こる治癒力を高める働きがある。自己実現と自己承認の実感を得ることが出来るユニバーサルで社会包括的なアートワークショップを組み立て、ファシリテーターとして社会と関わっていく。

2年

ヒーリング造形研究Ⅰに引き続き二つのテーマを扱う。
一つは空間に関する表現で、主に公共環境の美的最適化についてである。
もう一つは、様々な立場の多くの人が参加し体験可能なユニバーサルで社会包括的な、アートアクティビティやワークショップの創出研究がテーマである。
社会的な問題解決へ向けてアートとデザインの方法論の研究を深め、修了制作に結びつけていく。

  1. アートとデザインのアプローチにより、継続可能性の高い空間の快適性や高揚感を演出し、最適化する為の研究を深めていく。
  2. ユニバーサルで社会包括的なアートワークショップを組み立て、実践していく方法を研究する。
    ファシリテーターとしての知見を深め社会還元を目指す。

ヒーリング造形研究Ⅰ・Ⅱ 鈴木理恵子

1年

ヒーリングは、今や人々の生活に欠かせないキーワードとなっています。未来のデザイナーやアーティストとして、一般の人々と共にあるアート・デザインとは何か、どのような意味があるのか、の視点を持つことは意義があります。
世界機構等で定められている<健康であること。より良く生きること。いきいきと生きること>とアート・デザインの関係に注目し、特に現代の世界的・日本的な倫理、アート・デザインを手段とすることの影響、参加する一般の人々の立場、作品や活動の評価方法などに焦点をあてていきます。そこで、実践と理論を補完し合うことによって、あなたの作品や活動の質を強化するために必要なリサーチ方法を二つ紹介します。
なぜアート・デザインを手段とするのか、アート・デザインには何ができるのか、いつ・どこで・誰のために・どのようにアート・デザインを使うのか・・・そして、どのような社会に変革・改善していきたいのか、あなたの考えを深めてゆきましょう。

2年

ヒーリング造形研究Ⅰをふまえ、実践と理論を補完し合うことによって、あなたの作品や活動の質をさらに強化していきます。 現代の世界的・日本的な視野にたって、アート・デザインの本来の価値・手段とすることの影響・他の組織と組んで活動をすることの意義に、参加する一般の人々の立場を意識しながら焦点をあてていきましょう。そして常にあなたの研究や作品がどこで行かせるのかを意識し、ダイナミックな作品・研究を行いましょう。

デザイン専攻 研究関連科目

アウェアネス演習

ヤマザキミノリ

私たちを包み込む空間は、普段気づき得ないメディアとしての多様な可能性を秘めている。この演習では、普段ほとんど意識する事なしに過ごしている天井空間に意図的な色彩や形状の造形物、音や光りを伴う装置などを仮設置してみることを行う。日常空間に意図的な表現を提示して波紋をつくり、空間の変容と人々の気づきとの関係性を体験を通して探っていく。知覚し認識することの解像度を高めることが目的である。

喜多尾浩代

まず『身体内外に広がる環境』を観察する知覚能力 と『冗長性の知覚情報』を集積編集する統合能力 について学ぶと共に、『固有受容器に基づく知覚システム』や『細胞レベルでの身体感覚へのチューニング』を 体験する。次に、それらの演習を通して可能となる『身体内外に潜む情報』の読み取りと、刻々と変化しつづける『現象としての身体』の感知を誘導し、各自が取り組む表現や制作への応用について模索する。
さらには、自立する身体と依存する身体のバランスの中で生じる、プライマリー・コントロール能力の回復、抗重力感覚の認識、不安定な安定感という身体性、床反力の全身への拡散など、現代社会環境やある種の心理作用によって 不明瞭になる身体感覚を体験し、心身の新しい支援方法や環境デザインについても、各自の体験を通して思索する。

粟野ユミト

私たちは感覚器官をインターフェースとして環境情報を知覚している。それぞれの器官を刺激する情報の多くは認知に至らないまま消えていく。感覚する技術を高め、感覚した事象を理解する方法を得ることによって、認知される環境像は豊かになっていく。この課題へのアプローチとして、サウンド・スケープの提唱者レイモンド・マリー・シェーファー(Raymond Murry Schafer, 1933~)が試みた音楽に関する教育と思索を巡る方法は興味深い。
この授業では、見ること、聞くこと、触れること、といった三つのモダリティに焦点をあてた概論講義と、感覚力を開発し洞察力を深める演習を通じて、履修生の表現能力の進化に寄与することを目標としている。

ヒーリングデザイン演習

山野雅之

デザインの役割を思索しながら形態と機能、素材と機能、空間と表象という視点に立ってヒーリングを捉え、社会生活の中でヒーリングがどのような形で必要とされ、それがデザインとどう関わるのかを検討し、その方向性を探っていく。日常生活とヒーリングの関係について、デザインの観点から捉え、ヒーリング表現の可能性を理論と創作の実践を通して模索していく。
ヒーリング表現の可能性を理論と創作の実践を通して模索し、デザイン企画を中心に授業を進めていく。デザイン計画を進める中で、日常生活の中でのヒーリングに関わるデザインの役割、必要性を探っていく。

鈴木理恵子

一般的に「ヒーリング」は「ひと・こころ」を中心として捉えられ「デザイン」は「モノ・コト」を中心として提案される。
これらの関係をふまえデザインを広義にとらえて「ひと・こころ」を中心としたデザインとは何かという問題提起をする。受講者は演習を通して自分の答えを探ってゆく。 具体的には、社会の問題の改善を促すことを目的とした一般の人々が対象のアート&デザインアクティビティ(=ワークショップ)を取り上げる。まず、事例から「世界観をデザインする」「縁をデザインする」「希望をデザインする」ことの意義を考察する。その後、既存または新規のアクティビティを取り上げて計画・企画・実施・運営・フィードバックの各段階について、現状調査と分析、試作・試算などを行い、関わる人それぞれの「存在」を生かした未来を予見させる実験的で多角的なアプローチを試みる。

各専攻共通 共通実技科目

芸術創作応用Ⅰ・Ⅱ(ヒーリング造形)

注:研究領域ヒーリング造形の学生は履修できません。
われわれが日常生活において、心地よい空間、潤いのある空間で生活を営むことは、精神衛生上不可欠な問題である。精神の安静とストレスの溜まりにくい、リラックスした精神状態を生み出す環境作りについて考えると、そこにはデザインやアートの存在が重要な役割を果たす要素として関わっていると考えられる。ストレスを感じる事の多い現代社会の中で、どのようにしてデザインやアートを演出し快適な空間を作り出していく事が出来るのか、その方法、手段について創作を通して探っていく。
下記の1.2いずれかを選択し、作品制作していく。

  1. 医療空間のロビー、待合室、検査室、通路、病棟などに設置するためのヒーリング・アートの企画提案、制作医療機関から依頼があった場合、プロジェクトを立ち上げ、実際に設置する作品制作を進める場合もある。
  2. 公共空間に設置するためのヒーリング・アートの企画提案、制作

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大学院生作品

聴覚障害者と健聴者の心の距離を縮ませるアート(視覚表現)の提案
 
「カエル巻き」 ぐるぐるまわる絵の世界
なんのなる木?
 
気づき − 墨と炭を用いた、
新しい美術・図画工作教育カリキュラムの提案 −
stars_sakura
 
クリニドールができるまで
帰路
 
宝箱

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