癒しのその先をつかめ

現代社会に求められる癒しを目的としたアートとデザインを追求する。
人に寄り添い、そして共に在る表現を目指して。
日本で初めてとなるヒーリング表現領域を開設した理由
女子美術大学では1992年から、病院の小児病棟や介護福祉施設を中心に、アートの設置による、心の安らぐ空間づくりを目的としたヒーリング・アート(癒しの芸術)プロジェクトに取組んできました。病院の白く無機質な環境を、アートによって改善して行きたいというコンセプトで始めたプロジェクトです。
このように、社会の問題点と向き合い、問題解決の方法を探るアート表現活動を更に発展させ、広い視野から専門性を深めていく教育研究分野が必要だという趣旨から、「現代社会で人々は何故ヒーリングを求めるのか」、「ヒーリングとは何なのか」を思索し、そして「アートやデザインの表現は社会貢献につながる」 という理念を軸に、作品制作と論理的研究の両面からヒーリングを探求する教育を実践する、アート・デザイン表現学科ヒーリング表現領域を2010年に開設しました。
癒しのその先をつかめ
2010年、ヒーリング表現領域が女子美術大学に誕生しました。社会に求められている「癒し」のアート・デザインを追求する日本で初めての領域でした。
「癒し」とはなにか? アートとデザインは何をすることができるのか?
この問いに取り組みながら、教育と研究、実践を重ねてきました。
この間、「癒し」は一般化、記号化し、社会に飽和しました。
だからこそ、私たちはその先へ。
ヒーリング表現領域は、アート・デザインと、現象としての「癒し」への洞察を携え、
人がより良く生きていくこと −ウェルビーイング*−を追い求めます。
そしてそのために、私たちは新しくなります。
以下をカリキュラムの柱として、より広いフィールドに踏み出していく人を育てます。
すべての人、そして変化しつづけるこの世界から目をそらさないかぎり
アート・デザインは、ウェルビーイング実現の力となるのです。
癒しの、その先をつかめ。
*ウェルビーイング(well-being):人が身体的、精神的、社会的に充実した状態。それが持続すること。
6つのコア
《ヒーリング・アート》医療、保育、介護、教育など、人とひとが交わる「場」に
アート・デザインを届ける
ヒーリング・アートを通じて空間に寄り添う表現を学びます。医療・福祉施設と協働し、VRなどの技術も活用しながら、実社会に応じた提案力と対話力を高めます。
《リレーショナルデザイン》
人とひと、人と社会
その「関係性」をアートプログラムで育む
アート活動を通じた自然な対話や協働の方法を学びます。誰もが参加できる場づくりを行い、多様な価値観と向き合う力を育みます。
《絵本表現》
すべての人に開かれた絵本表現の探求
絵本制作の基礎を学び、自分の中の物語やビジョンを見つけて表現します。年齢を問わず読む人を意識した作品づくりに取り組みます。
《ぬいぐるみ表現》
「アート」「デザイン」双方の視点からアプローチし、ぬいぐるみ表現の可能性を拓く
ぬいぐるみ制作の基本から応用までを学び、思い出や愛着を出発点に、商品やアートとしての多様な表現を探求します。
《キャラクターデザイン/イラストレーション》
他のクリエイティブと併走し、強化する
キャラクターの企画力を養い、ターゲットに合った魅力的なデザインを追求します。実践的な課題や企業との連携を通じて、提案力とプレゼン力を身につけます。
描画の基礎からデジタル加工、印刷までを学びます。さらにAIなどの新技術も活用し、個性を活かした表現と多様なメディア展開を目指します。
カリキュラム
卒業後の進路
教員紹介
専任教員

ヒーリング表現領域 主任 准教授
保高一仁

ヒーリング表現領域 教授
野呂田理恵子
