大学院生作品 GRADUATE STUDENT WORKS
MEET PADDY CAVANS
王 廷玉
作品
作品
万物はいつか死になる。人も木も、たとえ生き物と言えない石もいつか砂になる、もとの形に戻らない。
ひとは、「死」から復活することはないため、生きている私たちは無意識に「死」のことを避けます。死に対する準備がないので、「死」は人生において最も悲しいことになりました。家族や友人がなくなった時、誰もが長い悲しみから抜け出せません。そして、なくなった人がこの世界に残した痕跡を探し続けてしまいます。「忘れたくない。」「忘れられたくない。」誰もがもう少し長く生きているようになりたいのではないでしょうか。
作品
絵本『MEET PADDY CAVANS』の舞台は「生」「死」「夢」の挾間にある花畑の中の小町、美しくて純粋なユートピア世界です。主人公パディは永遠の命があるエルフです。行く先々で多くの人と出会い、愛をもらい、また、愛を失うことを繰り返しています。そして「死にならないものは、もらった愛はいつか記憶になる、かつての幸せもいつか悲しみになる。」ということがわかりました。そう考えると、死は生きていた悲しみ、記憶から解放してくれる唯一のものだ。決して悪いことではない。忘れるも、忘れられるも幸せの一部だろう。
私たちは「永遠の命」と「いつか終わりのある命」を選べるなら、誰もが後者を選ぶだろう。しかし、その「いつか」を選択できないので、少し心残りを持つのだろう。
ストーリーの最後に、主人公PADDYは「死を迎える時期を選ぶことができる」という望みを叶えられます。なので、その時期が選べるかにかかわらず私たちと同じように「死」を迎える。
この物語は死のことを受け取れられる、死の痛みを和らげられるようにすると考えています。