大学院生作品 GRADUATE STUDENT WORKS
頑張る勇気を与える絵本 —旅するシェフ、旅する美容師—
劉 夢穎
作品
人間は生まれてから死ぬまでに、何度も病気を経験することがあります。それが風邪のような軽い病気の場合は、一日休めば、また新たな一日を迎えることが出来ます。けれども、癌のような重い病気であれば、蝕まれるのは体だけではなく、心にも深い傷が残ることがあります。
数年前、私は半年くらいの入院生活を送りました。成人である私さえたくさんの涙を流して、やっと乗り越えましたが、子供だったらどんなに苦しいでしょう?そこで私は考えました。この病痛経験を生かして、入院中の子供たちの苦しみを減らすことが出来る絵本を作れないかと。
作品
この二冊の絵本は読むだけではなく、遊べる絵本です。中に読者自分自身で作らなければならない部分がデザインされていますので、作者と読者が協力して、一緒に絵本を完成する仕組みになっています。マグネットシートを自由に組み合わせることで、読者の想像力を高める効果がありますし、達成感も生まれます。
抗がん剤治療を受けると、必ず起こる味覚の変化と脱毛問題に焦点を当てて、「食」をテーマにする絵本と「ヘアファッション」をテーマにする絵本を作りました。入院中の子供たちに遊びながら自分の現状を理解してもらい、長期の入院の苦しみから解放されるきっかけになれば良いと思います。何より大事なのは、自分が健康で、何でも食べられる日々と、昔の自分の元気満々の姿を思い出し、頑張る勇気が湧いてくることです。
病気により肉体の変化を起こし、それによって心の痛みが生ずる。食事制限がある入院生活をしなければならない場合であれば、おいしい食べ物の写真などは見せません。髪が全部抜けたら、ヘアファッションの話もできるだけ口にしません。多くの病院では、これは一般的なやり方ですが、本当にこれは唯一のやり方でしょうか?長い入院生活の中で苦しみに耐えることしかないのでしょうか?私はそうは思いません。現実を直視し、理解することができれば、ストレスも少しずつ減らすことができるのではないかと、私は考えています。