東日本大震災復興支援アートアクティビティーOMODOC 
「動物の謝肉祭ワークショップ」

NEWS, 大学院.

2014年11月2日の宮城県名取市市民ホールを皮切りに、3日の福島市テルサホールと4日の東松島コミュニティーセンターにて、日本フィルハーモニー交響楽団と女子美術大学のコラボレーションで実現した「動物の謝肉祭」演奏会のワークショップに参加しました。
女子美術大学は、演奏会の曲目であるサンサーンス作曲による「動物の謝肉祭」に登場する動物たちのお面を楽団の演奏会の前に作る幼稚園児〜小学生対象のワークショップを企画しました。

2日は学部生4名、3日は学部生と大学院生5名の合同でワークショップが行われました。
ワークショップでは、大学が用意した色紙やビーズなど様々な素材を使い、子供たちのご両親や女子美生がサポートに入りながら、紙皿などを土台に、動物のお面や楽器を作りました。素材を自由な発想で使い、一人一人個性のあるお面と楽器が出来上がり、子供たちはその後の演奏会で、各々が作ったお面と楽器を持ってステージに上がり、となりのトトロの「散歩道」の曲に合わせて、楽しそうに行進をしていました。

ワークショップを通して実際に子供たちと接して感じたことは、大人には想像もできないような豊かな発想力と表現力、自分の表現したい事を最後まで追求する忍耐強さを含めた「無限な可能性」です。レストランのバイキングで料理を選ぶように、彩りなどに注意して慎重に素材を選んで組み立ててみたり、お面にビニール風船を付けてプードルの耳を表現してみたりと、自分のイメージしたお面や楽器を作るため、失敗しても諦めず一生懸命制作に取り組んでいる姿がとても印象的でした。

大学院生は、日本人2人と留学生3人の5名でワークショップに参加しました。子供たちに対する接し方に慣れている学生もいましたが、特に留学生は今まで“子供”に接した経験が少なかったため、コミュニケーションについて苦労していたように見えました。しかし後日、そのことについて聞かせてもらうと「自然に子供と接することができ、自分の知らない一面を見つけることができた」と感想を述べていました。このように、“実際に体験する”ことの大切さを改めて学ぶことができました。

今後は、ファシリテーターとしていかに参加者の気持ちを引き出せるかを考えて、ワークショップの企画・実施をしていきたいと思っています。
今回の演奏会では、お面をつけた子供たちに舞台上を行進してもらいましたが、それ以外にも子供たちや観客の方々を盛り上げ、更に共感や協働を促すようなファシリテーションの方法があったのではないかと感じました。それにはまず、私たち自身が音楽に合わせて動きをつけることや全体を見渡す意識が必要だと思います。今回の経験を踏まえ、次回は、楽器やお面など具体的な「物」を制作することだけに限らず、音や動きのある要素も含めてより参加者に楽しんでもらえるようなワークショップを目指していきたいです。

古川彩香、渡辺志麻(修士課程 ヒーリング研究領域1年)