学生作品 STUDENT WORKS
女子美術大学

4年次

4年次卒業制作 2016
学部4年間の集大成である作品制作を行う。
各自が軸となる方向を定め、独自のテーマを設定し、卒業制作として作品を展開していく。思考・感性・表現技術の総合された表現を目指し、制作構想のプレゼンテーションや中間報告のプレゼンテーションから、自己の考えを伝える為の発表の技術とコミュニケーション能力も深めていく。
 
 
 

3年次

3年次アート・デザイン表現演習Ⅱ 2016

アート・デザイン表現学科4領域の特徴的な専門科目10個の授業の中から選択し演習を体験します。普段、所属する領域では学ぶことができない演習の体験を通して、新しいスキルを身につけます。ヒーリング表現領域は2つの授業を行いました。

コラージュによるイラスト表現から、大型プリンターを使ったタペストリーへの展開   ぬいぐるみ作りの基本を学ぶ

手書きによるアナログ表現からデジタル表現への変換を習得し、イラストレーションから空間演出につながるヒーリング作品を制作。
アート・デザイン表現学科の共通選択実技として、絵具彩色した紙を素材に、コラージュ技法を用いて動物のイラストを表現し、それをPhotoshopでデジタルデータ化。大型プリンターを使用して、布地(防炎マットクロス)に動物イラストを出力し、タペストリーに仕上げました。

職業としてのぬいぐるみ作りが置かれている現状から、布を使った立体で、今後仕事として成り立つ可能性のある分野を探ります。
基本的な制作過程を実習し、そこから立体を展開図(型紙)に起こす方法を学んで、たまご、やちねずみ、フクロウを数体制作しました。彩色も施し、それぞれのぬいぐるみのストーリーを思い描き、レイアウトによって出来上がってくる世界観を作り上げました。

3年次プロジェクト&コラボレーション演習 2016

メディア表現領域との合同授業で7つのプロジェクトの中から選択し、授業が進みます。
産学連携を基本として、公共団体、企業、法人等、社会とのコラボレーションにより、実現可能な目標をたててプロジェクトを立ち上げ、企画立案と運営、マネージメントを行うためにチームを編成し、問題点に対処しながらプロジェクトを円滑に進める方法を学習します。

産学連携キャラクター開発プロジェクト   女子美生×親子で街デビュープロジェクト

学外組織との恊働による実践的な体験を通して、プロジェクトを完成させるまでに必要な発想力、コミュニケーション能力およびそれらを的確に表す表現力を獲得することを目的とした授業です。今年の産学連携キャラクター開発プロジェクトにはヒーリング表現領域とメディア表現領域の学生が参加し、コラボレーションパートナーNPOエコロジーオンラインを通して4つのキャラクター企画課題に取り組みました。

 

地域で暮らす赤ちゃんと育児休暇中の母たちと出会い、和田商店街の地域活性化企画をたてるプロジェクトです。
あの有名な『散歩の達人』で特集されるような街になることを妄想しながら、提案しました。この提案をまとめた冊子は、店主さんたちが大切に読み返してくださっています。そして、この授業から飛び出したキャッチコピー「わだまちわのまちめぐるまち」など、次々に採用されました。2016年には、第12回東京商店街グランプリを受賞するまでに元気を取り戻した和田商店会。学生たちは貢献ができたことに手ごたえを感じています。

アートによる心の復興支援プロジェクト “OMODOC オモドック”    

東日本大震災発生後の2011年6月に学生達と立ち上げ継続してきた被災地支援プロジェクトです。道路整備や土地の嵩上げ等、インフラ整備中心の物理的な復興は目に見えて進んでいますが、コミュニティーはなかなか復興できず、ここ数年は心の復興の必要性が強く問われてきています。
プロジェクトでは現地の復興拠点や福祉施設に提供すべく南三陸町や雄勝町の被災と復興状況視察や活動実施場所の検討、ボランティア体験を経て、アートアクティビティやワークショップを考案してきました。そして、石巻市子どもセンターと山元町子どもセンター、名取市増田児童センターでのワークショップと、気仙沼市の障害福祉NPOネットワークオレンジでのアートアクティビティーを実施することが出来ました。

   
3年次形態表現演習 立体制作 2016
「"おもい(想い・思い)"を包むパッケージ」

中身の魅力を伝えるために重要な役割をもつパッケージを、社会における様々な在りようから多角的に理解したうえで、紙器をベースにしたパッケージの制作を学ぶ
  3年次キャラクター制作演習 2016
病院の小児病棟での活用など、具体的な目的を設定したオリジナルキャラクターを制作する

「ある贈り物」をする場面を想定し、相手に対する「おもい」が具体的に目に見える「かたち」を、ヒーリングアートの視点からパッケージとして制作しました。また、立体構造を平面素材から立ち上げ、空間を構成することも学びました。

キャラクター制作演習2016では、東京都立光明特別支援学校のキャラクターデザインを提案し、栗崎結さんのデザインしたキャラクター「チョウチンアンコウ」と益子知春さんのデザインしたキャラクター「マックス」が学校のキャラクターとして選ばれました。

3年次壁画制作演習 2016
壁画制作演習では、実際の病院との恊働により院内や屋外空間に壁画を制作・設置し、病院空間における環境作品の制作を通して、アートとデザインがいかに社会生活において重要であるかを学ぶ
  3年次子どもの道具デザイン演習A
(ぬいぐるみ制作)2016

子どもの道具としてのぬいぐるみを企画・制作し、使い方や遊び方を提案する

小林歯科医院開院に当たり、医院の内装計画の一環として、医院の受付カウンター、待合、小児プレイスペース、診察室、各スペース壁面に樹木を描き、四季の森のイメージを演出、森に住むリスを主人公に、トイレも含め空間全体にストーリー展開する作品を24名の学生が共同制作で描きました。

子どもを乳幼児と小学生以上に分け、それぞれの子どもの成長に合わせたぬいぐるみを企画し、目的に応じた素材やデザイン、遊び、使い方を提案しました。

3年次子どもの道具デザイン演習B
(玩具のデザイン) 2016

素材や動きのおもしろさなどから考える方法を通して、オリジナリティのある面白いアイディアと美しさを備えたおもちゃのデザインを学ぶ
  3年次絵本制作演習 2016
人と人との関係性の中で自分らしいテーマを見つけ、心から伝えたいことを、表現する意味を、絵本制作を通して深める

「転がるおもちゃ、転がすおもちゃ」をテーマに、素材は木材を主として、立方体、円柱、球体などの幾何形を組み合わせた形や、動物や車などをモチーフとした形を中心に制作しました。

絵本作家であるいせひでこ先生のご指導のもと、学生それぞれが今現在の自分自身と向き合い、本当に伝えたいテーマを真剣に考えて、絵本のダミーや原画を制作しました。

3年次ヒーリング・アートプロジェクト演習 2016

現代社会において、アートとデザインが社会とどのような形で関わるのかを、「ヒーリング」をコンセプトに考え、公共空間における様々な可能性を探り、またプロジェクトをどう実践していけば良いのか、その方法について模索していきます。ヒーリング・アートプロジェクト演習2016では都内2カ所の病院と、保育施設の3つに分かれて、それぞれのヒーリングアートプロジェクトを展開しました。

東京都立光明特別支援学校でのオリジナルキャラクターデザインを使ったプロジェクト   心身障害児総合医療療育センターでのプロジェクト

東京都立光明特別支援学校と連携し、ヒーリング表現領域前期授業「キャラクター制作演習」で提案し、採用となったキャラクターをベースにして様々な企画を考えました。
特別支援学校でのオリジナルキャラクターの様々な展開方法を探り、グッズ展開を目的として企画と現場での活用を提案しました。
キャラクターを利用したワークショップや外に出る事が難しい生徒さんの為に楽しんでもらえるAR、お絵描きアプリ、天井に貼るキャラクターシール、学校案内標識などの提案をしました。

ヒーリングという観点から、公共空間におけるアートやデザインの様々な可能性を探り、また、それをどう実践していけば良いのか、その方法について模索します。心身障害児総合医療療育センターと連携し、手術室前のドア、長廊下のくぼみ窓、Ⅲ病棟の壁面の装飾を企画し施工しました。
車椅子の目線や、患者を手術室に運ぶストレッチャーでの目線を実際に体験し、利用者のリハビリ目標になるようなストーリーを組み入れながら提案しました。

「絵本の向こうに人がいる」対象研究からの絵本制作プロジェクト    

赤ちゃんがそれぞれ楽しむ方法を見つけることが出来る、赤ちゃんに寄り添う絵本を考えました。既成のかたちにとらわれず、赤ちゃんがどのように絵本をとらえ、どんなことを必要とするのかを考えた絵本です。
赤ちゃんの成長段階や観察のポイントを学んだのち、実際ふれあってじっくり観察し、研究することからはじめました。赤ちゃんの観察には杉並区内の保育園、乳児院の協力を得、絵本の制作過程ではアドバイスをいただきました。出来上がった絵本はそれぞれの施設へプレゼントして赤ちゃんの反応を見て保育士さんからの講評を受けました。

 

2年次

2年次ヒーリング・デザイン実習A
(空間表現) 2016

公共や福祉の為に、より快適な空間を作り出す方法や手法について学ぶ
  2年次ヒーリング・デザイン実習B
(デジタル表現) 2016

コンピュータを使ったヴィジュアルコミュニケーションを学ぶ

第1課題では、「○○のパブリックスペース」を考え、20分の1の模型で表現する。
第2課題では、グループワークにより指定された場所の「教室天井と廊下天井への空間装飾デザイン」をヒーリング表現の観点から考え、様々な素材を使って実寸で実際の空間演出表現を行う。

グラフィックデザインの基礎知識から、制作手段であるデジタルワークのスキルを身につけ、印刷メディアを通した情報のコミュニケーションを学習しました。2016年度は松本歯科大学オリジナルワインのラベルデザインの提案を行いました。

2年次壁画技法演習 2016
1年次で学んだ技法、考えを基礎に、表現を発展させた平面作品の制作を行う
  2年次コンピュータグラフィックス演習 2016
大型グラフィックスの制作を体験する

演習ではさびの表現やステンシル技法を学びました。最終課題では、個人とグループに分かれて制作を行い、個人制作では学んだ技法からいずれかを選択し、個性を織り交ぜた作品制作を行いました。グループ制作では、実技教室の壁面に「明日に向かって」というタイトルで壁画を描きました。

コンピュータを用いて手書きの風合に加工したドアを飾る大型グラフィック作品を制作しました。
また、画像制作のために必要な画像データの特性やソフトウェアの操作方法を学びながら、デジタルによる表現方法について総合的な理解を深め、課題制作を通して実践のための基本的な技法を習得しました。

2年次装丁技法演習 2016
本という形態に仕立てる技法を体験し、自身で製本する工程を学ぶ
  2年次絵本制作基礎演習 2016
対象と向き合う絵本の制作を学ぶ

和綴じの演習からはじめ、いくつかの基本的な製本の演習を行って、本の構造や素材選び、製本の技術について学びました。最終課題では「私のデザイン帖」というテーマで、手帖としての機能と自由に描き込めるページを含んだ、自分が愛着を持って使える本をデザイン・制作しました。

円や三角形などが描かれた4コマの画面から自由にストーリーを発想するという演習からスタートし、“命と向き合う絵本”をテーマに制作を行いました。学生たちそれぞれがテーマに真摯に向き合い、「命」という1つのテーマから様々な広がりを見せた絵本が完成しました。

1年次

1年次アート・デザイン表現基礎演習A - CGデザイン 2016
グラフィックデザインの基本を学ぶ
  1年次アート・デザイン表現基礎演習B -絵画 2016
絵画について学ぶ

今までの人生で出会った「ひと」に、感謝の気持ちを贈る為のカードをテーマに、各自でコンセプトを設定し、制作を行いました。Illustrator、Photoshopなどソフトウェアのコンピュータスキルを身につけ、グラフィックデザインの基礎を学びました。

全ての造形の基本となるデッサンをすることで、デッサンとは何か、モノを観て表現をするとはどういうことなのかを追求します。初めは、小さな画面で少ないモチーフを用いた静物デッサンをし、次の人体デッサンにより、構図、形、質、量、動勢など、二次元表現をする上で必要な観察力と表現力を身につけました。

1年次アート・デザイン表現基礎演習C -工芸 2016
工芸(織・編)について学ぶ
  1年次アート・デザイン表現基礎演習D -立体 2016
立体について学ぶ

糸から布の制作(織・編)の基本的な知識や技術を学びました。人の暮らしの中で“心地よさ”とは何かについて考察し、各自のイメージ・コンセプトに合わせ各種素材に触れながら、身体を包む・巻く・覆い彩る作品制作を行いました。

段ボールで人の頭部を作る事を通じて、立体制作の基礎を学びました。まずは粘土や段ボールで面を構成し、立体感をとらえる練習をしました。次に抽象表現練習を行い、素材の持つ可能性を追求しました。

1年次素材表現演習A (平面表現) 2016
画材の使用体験から壁画技法を中心に、平面作品表現の新たな発見と創造の方法を学ぶ
  1年次素材表現演習B (立体表現) 2016
各種造形素材の性質、制約、素材自体の美しさ、素材と形態の関係を整理し、それらに適した造形的処理、加工方法などを実際に体験し学ぶ

様々な種類の刷毛や筆、海綿などを使用して、雲、石積み、木目の表現方法を学びました。最終課題では、それまでに学んだ技法からいずれかを選択し、基本で学んだ技術を生かしつつ、ストーリーを感じさせるような作品を制作しました。

「触れる・香る・心地よい」をテーマに、手で触れて『ここちよい』フォルムとなるよう、アイディアスケッチを練り、粘土によるラフモデルや、スタイロフォームによるスタディモデルでデザインの検討をしました。 デザイン決定後、3種類の木材を組み合わせ削り出すことにより、積層構造による“なごみ”の形を制作しました。

1年次キャラクター制作基礎演習 2016
社会におけるキャラクターの役割を考え、オリジナルキャラクターのデザイン・制作を行う
  1年次ワークショップ演習 2016
アート活動を使って社会にアプローチする方法と、グループワークによる新しい考え方の創出や発見と、創造の方法を学ぶ

キャラクターの市場調査をし、それを踏まえてオリジナルキャラクターのアイディアスケッチを行いました。アイディアスケッチを粘土で立体に起こし、さらにその立体を元にパソコンでオリジナルキャラクターを制作しました。

立場の違う人々が、心の壁を乗り越え受け入れ合う社会を〈社会包摂〉と言います。この考え方の理解を目的とした参加型のアート・ワークショップの企画/実施/評価をしました。7班に分かれ試行錯誤を重ねて企画する過程では、各班がファシリテーターと参加者の役割を担って内容を深め合います。これは〈立場の違いを超えて互いを認めること〉が経験できる大切な過程となっています。また、アートの有りようを美術に限らず広く捉えていくため、マイケル・スペンサー氏と日本フィルハーモニー交響楽団による音楽エデュケーション・プログラムなども体験しました。